|
2002/2/13
■OBSK・トップセミナー終了!
−財務戦略としての不動産証券化 −
わが国の経済は、米国経済減速の影響を受け製造業を中心に景況感の悪化が目立ち、依然として個人消費の低迷や厳しい雇用環境が続くなど景気は総じて低調である。
先日のOBSK関東ブロック会・研修会時の尾形
恵幹事長の挨拶には
「景気低迷の影響は我々ボウリング業界にも波及していることは避けられない。だからといって待ちの態勢に入ってしまっては何も出来ない!こちらから仕掛けることが大事。」とあった。
OBSK全国会では、その仕掛けのヒントとなるボウリング場経営者・幹部向けセミナー「OBSKトップセミナー/財務戦略としての不動産証券化」を、GOJ社ならびに大和証券SMBC(株)の協力を得て2月12日(火)午後1時より東京・羽田空港ビックバード6F「ギャラクシーホール」にて開催した。

OBSK会員・非会員ボウリング場オーナー、役員、部長、支配人など経営に携わる方々全国から多数の参加を得た。
(下記はセミナー開始直後の会議室の画像であるが、直前までカーテンが開け放された窓からは、滑走路から飛行機が離着陸していく様子が目の当たりにでき臨場感抜群であった。)

司会はGOJ社BS営業本部スポーツ&レジャー:マネージャーの村川俊明。
今回のジェトロニクス・オリベッティ(株)と大和証券SMBC(エスエムビーシー) (株)の共同特別企画セミナーの主旨の説明があり、講師である大和証券SMBC(株)ストラクチャード・ファイナンス部部長の山内
浩昭氏(やまうち ひろあき)の紹介があった。
続いてOBSK全国会会長:藤元
良一氏(宮崎エースレーン代表取締役社長)より挨拶。
「長引く市場低迷の中、企業の事業を拡大すべきか縮小すべきか・・皆さんそれぞれの地域々で悩んでいると思う。
その中でレジャー産業の影響は地方自治体にまで波及していると言えるが、特にボウリング場においては開場30年を迎えるセンターが今後どのような方向で事業を展開して行くのか・・そのための一つの智恵を本日のセミナー「不動産の証券化」から学んでみたい。
OBSK活動における過去の研修は主に従業員向けの教育内容が多かったが、今回はオーナー、支配人向けの新しい切り口のセミナーということで、ボウリング経営の戦略として取り入れることができるかどうか・・ぜひ長き将来に渡って有効に活用される事を願いたい。」
*大和証券SMBC(株)について
さくら銀行・住友銀行両行の合併に伴い、さくら証券を統合し、「大和証券エスエムビーシー株式会社」(略称:大和証券SMBC)に商号を変更。さくら銀行およびさくら証券が長年培ってきたお客さまとのお取引関係およびノウハウを加えることによって、プロフェッショナリティと革新性、さらにはグローバル展開に一層磨きをかけ、より広範な事業展開を目指す。
■大和証券SMBC:SMBCは三井住友銀行の英文行名である「Sumitomo Mitsui Banking Corporation」の頭文字。
講師:大和証券SMBC(株)ストラクチャード・ファイナンス部
部長 山内 浩昭 氏
*不動産の証券化について
ここ数年経済用語として良く聞く言葉であるが、皆さんの耳にも聞き覚えがあるのではないだろうか。
意味をわかりやすく説明すると「不動産の証券化」とは、資金調達の目的を不動産が生み出す価値(キャッシュフロー)をもとに有価証券を発行することで成す。
不動産の証券化は、ここ数年のSPC(社債発行会社)法の改正、オフバランス5%ルール施工、不動産投資信託法改正などにより劇的に変化している。
参加者へは不動産証券化に関する重要なカラー資料が(50ページに及ぶ)配布され、ボウリング場が必要とするニーズをプロローグとして、具体的事例に沿って画像を示しながら約2時間の概要説明となった。

【具体的流れ】
市場調査によると多くの企業では不動産を「売ってしまう」のではなく「利用ができれば」という意識を持っている。またこの中でキャッシュフローを重視していく企業が増えていることに注目し、不動産と金融の融合(お互いのニーズがつり合ってきた)という形態から
「証券化」の急拡大の意味を探る。
下記概要項目ごとに年度別統計数字(データをグラフ化・図式化されたもの)を検証し、不動産が金融商品として有利という結果を挙げどのように扱うかということを考えていく。
不動産は一物件の投資金額が大きいためそのままでは流動性が低いが、不動産を証券化することにより小口化が可能となり、また、不動産証券化商品が証券取引所に上場することにより飛躍的に流動性が高まることから、投資家が不動産に投資しやすい環境の整備につながる。その実証例の紹介。
証券化が進んでいるアメリカと日本の運用方法(アウトソーシング型)の比較など。J-REITの評価(投資法人)の重要性を探る。
|
【概 要】−財務戦略としての不動産証券化−
−大和証券SMBC(株)配布資料用より参考−
※グラフ・数字データ等の掲載は省略
■ボウリング場のニーズ
まず考えられる具体的なニーズとは?
*既存のボウリング場を活用して資金調達をしたい
*できればオフバランスにしたい
*ボウリング場の運営のみを行い、施設は保有したくない
*新しいボウリング場の建設には極力自社資金を使いたくない
■不動産に関する企業意識の動向
*土地の有利性、とその理由
*企業経営方針の重視点
*保有資産見直しと企業意識
*企業不動産に対する考え方の変化
*優先的に処分したい不動産の用途
■証券化が急拡大
*2001年の企業の直接金融による調達額
*資産担保証券(ABS)とは?
■不動産証券化案件
*1999〜2001年間の47案件一覧表。企業ごとのピックアップ説明
■証券化対象不動産の推移
■不動産証券化の基本ストラクチャー(1)〜(2)・・・重要!
*時価100億円のオフィスビルの証券化例(SPCバランスシート・調整コスト)
*本ストラクチャーの問題点・課題〜実際的なストラクチャー
■大和証券SMBCで行った証券化の事例(1)〜(4)
■開発型証券化
*開発型証券化のポイント
*フェースT〜V(土地取得〜社債償還時)
■J−REIT(投資法人)の概要〜評価〜リスク
バリュエーション<参考損益モデ ル><レバレッジ>で配当利回りの重要性と不動産全体の運用収益効果を仮想数字に基づいて説明。
|

総括的に山内氏は、「多くの企業には有利子負債の圧縮や設備投資資金の調達など様々な理由により不動産の売却・処分等のニーズがあると考えられるが、不動産を証券化することにより不動産の流動性が高まることは必須であり、多くの不動産を保有する企業側から見てもその意義は大きい。このことはボウリング場経営においても置き換えることができる。」と述べている。(実際に証券化を行ったボウリング会社名をあげての説明があった。)
最後に参加者からの【質問】も多く出て今回のセミナーへの関心度を伺えた。
山内氏はそれぞれの質問に、大和証券SMBCの事例も交えて明確な回答を示した。(回答部分、記載省略)
●仮に信託銀行が信託を受けない場合は?申請されたSPCシートによって証券化している物件の資金取得システム案件をどのようにするのか・・証券会社の具体的な考えは?
●ボリング業界として証券を発行する目的はキャッシュフローであると思うが、5年前をさかのぼってみると資産は評価は明らかに減少している。不動産証券化商品の格付けする際の取り決めによっては、コスト的に実際問題資金調達は可能なのかどうか?
●都心部の不動産に関してはバックアップも考えられるだろうが、地方においては広い土地を何に使うのか・・環境等を考えると投資に期待できるかどうか?
●親会社からの100%資本参入の子会社企業が証券化を受けるとした時、賃貸契約を結んでいる形態を取っていていわば資産を借りて運用しているケースが多いと思うが、この場合問題はあるか?
参加者へ、セミナーを終えての【感想】を伺ってみた。
●証券化の話は自分たちとは今まで縁の薄い内容であったので、この短い時間内では把握しきれなかったのが本音。不動産証券化の意義をもう一度考え勉強してみたい。
●今までの研修にない難しい内容でした。自分が何の情報を必要なのかを絞り込むには、やはり詳細を知ってしなければ話にならない。まだまだ勉強することがたくさん!
●自社の所有している土地が「証券化」などという大規模なものに当てはまるかどうか疑問だが、何かのきっかけで利用しないとも限らない。そういった意味で「知ること」の貴重なセミナーであった。

2時間弱で、50ページに及ぶ資料内容を把握するには時間が足りなかった・・という声があがっていたが、「不動産の証券化」とは何か・・という概要は掴めていただいたと感じる。
不動産を証券化することで何が得られるのか?一つの大きな高価格のものを(不動産)小さく分散し低価格にすることで個人消費者にも買いやすくする!投資しやすくする!と考えれば簡単かもしれない。
日本国内個人金融資産は約1,400兆円と言われており、この巨額な資金を不動産市場に振り向け、不動産市場の強力な買い手を創り出す効果のある「不動産証券化」の推進が経済活性化の道へ期待できるのではないだろうか。
ボウリング場の大なり小なりの不動産価値を眠らせないで有効に利用し、大きなビジネスを展開して欲しいと願いつつ、夕暮れにはまだ早い明るい日差しの中を飛び立っていく飛行機の姿を眺めながら、セミナーの余韻にひたっていたオビスケットであった。
過去のINDEXへ▲
|